音楽史の中のハイドン2 7.生前の人気作品も晩年になってからが多いかも その27-30

7.生前の人気作品も晩年になってからが多いかも
(その27)
 第3期以降、概ね、60番代を一部含む81番までは、アルタリア社等の複数の出版社から、作曲者が公認で出版されている。このため、ヴィーンを含めた各国で、ランク1でも複数以上で出版が明白となる。またランク2の過去10年以内の出版も当然のごとくクリアし、作曲後、程なくしてすぐに出版されている。また76番以降は、5社以上からセット販売がされている。このデータは、この欄には、記載をしていないが、これらも加味すると、出版が生前から多かったことが分かる。当然のごとく、ランク3の総合評価でも、印の付くものが大半となる。
 それに対して、1781年頃より前の出版はどうなるか? この頃より前は、少なくとも交響曲に関しては、作曲者が出版社と殆ど、正式に契約を交わしていなかったであろう。1774年頃の67番頃以降について。それより前は、パリが先行して出版をしていたが、この頃より、ロンドンの方が早くなっている。この当たりから、イギリスでの人気が高まったことが考えられる。
(その28)
 特に、No.53は、フランスよりも2~3年前に既に、ロンドンで出版され、1781年のロンドンでも演奏会として登場した記述がある。(音楽の友社 名曲解説全集 補完 No.53 参照)パリからの要請で、6曲のパリシンフォニーに至ったのは周知の通りである。しかしながら、ロンドンがパリより先行して出版された理由からも、ロンドン渡英に結びついた根拠にもなろう。さらに加えて No.75は、当時人気の作品のひとつで、91年に作曲者がロンドン渡英のときにも演奏されていた。(井上太郎 著 ハイドン106の交響曲を聴く。 75番のからの引用) 50番代から80番台のシンフォニーの一部はロンドンでも人気だったようだ。
 今後の調査のひとつとして、ロンドンでの演奏会でのプログラムもポイントの一つになろう。ただし、過去のシンフォニーでも、聴衆の好みに応じて、作曲者なり、プロモーターであるザロモンが、手持ちのシンフォニーを選別した可能性もある。(イギリス人が欲するタイプのシンフォニーは演奏されなかったなど) 
(その29)
 それよりさらに遡る第2期の1768年頃~1781年頃のオペラ時代を含む部分。ここでは、交響曲は、精力的には、作曲されなかったと思われる。1761年に副楽長に就任してから、1768年の楽長に昇格する頃と比較すると、さすがに、出版社数は少しはある。しかしながら、1781年頃以降と比較すると、数はまだ、明らかに減っている。しかも、ランク2でも数が減っているように、かなり作曲年代が経過されてから出版されたものが多い。40番台から50番代は、パリの出版が先行しているのとは、対照的である。
 この中の No.41に関して。ゲルラッハは1768年の作曲年代としているが、この時期に、「ぽつん」と4社から出版され、しかもNo.20と比較して数年以内の発刊となっている。同じ頃の作品も、複数出版されている。しかしながら、発刊時期が遅れている。やはり当時からの人気作品であったと思われる。井上著のNo.41の部分では、ランドンの「このときまでにハイドンが書いた祝祭的なハ長調の交響曲の中で、最も輝かしく、かつ最も成功した作品」とい評価の記述がある。著者の同様に評価をしているが、私も同感だ。

(その30)
 ましてや、第1期の1761年頃以前に関しては、生前は、殆ど出版されていなかったことが分かる。その5で生前の人気作品のひとつは、20番か? と記載をした。確かに4社から出版されている。これに続くNo.10も3社から出版されているが、いずれも、作曲されてから、かなり年月を経てからのものである。その19では、晩年に、シンフォニー全集の出版に関しての怒りを記載した。これは、生前でも晩年(ロンドンでの人気以降でヴィーンに戻ってからの話)のことである。生前でも、渡英前では異なる可能性があると思う。
 すなわち、ロンドンでシンフォニーは大成功を収め、数年以内に様々な編曲の形でも出版された。ハイドンのシンフォニーは、大きく広まった。当時の人気作品は十分に分かる。それに対して、ロンドン渡英前で、パリでの人気が出始めた頃は、まだ、シンフォニーは、それほど、人気が十分でなかった可能性がある。ロンドン渡英後に、さらにブレイクしたのではないか。
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