65番 ファイ

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2017年5月20日 T ファイ No.65 を聴取。第2楽章は、繰り返しの後半でsoloや装飾を含めた旋律がファイの特徴。この部分も典型的な曲。T15からの部分は、この楽章自体が、あたかも、コンチェルトグロッソの雰囲気。T15の第1vn.は繰り返し前の前半は、通常とおり。繰り返しの後半は、旋律を変えての装飾。T16からは、第1vn.はsoloになる。
  もともと、ハイドンは、短い動機から主題を構成することが多い。緩序楽章でも当てはまるが、特にこの楽章については、冒頭のわずか1小節とそれに続く2-3小節が中心となる。特に冒頭の第1小節は、いたるところで楽器を変えながら繰り返される。(モーツアルトやロマン派などの長い小節からなる主題とは対照的)
緩叙楽章でvn.のsoloの箇所があるセレナード、デベルティメントなども同様に見受けられるが、概して主題の旋律自体が長い。それに対して、この楽章はとても短い部分から構成されている。短い主題のために逆に楽章のいたるところに飽きさせない工夫をする。工夫のひとつには、装飾やsolo、弦のピチカートの変えるなどの手法がある。ファイの演奏では、この解釈を通している。交響曲の後期に近くなると、この手法は、減ってくる。
作曲順番と通し番号では、No.59に引き続きいている。同じA調の調性が続く。通して聴くと、「こじんまり」とした雰囲気にこちらの方はある。このためか、自分なりのランクはDとしていた。ファイのこの録音でもNo.59の後にもって来ている。しかし、このファイの演奏を聴いてみると、再度ランクを上げるとともに、意外な発見もあり。私なりに思うに、3曲のカップリングを選定した中で、再度にこの曲を持ってきたのは、一つ前のNo.59と対比させるためではないか。同じ調性で、finaleもhr.を中心としたファンファーレがある共通点。しかしあえて、「こじんまり」とした雰囲気の中にも、ファイによる聴かせ所があることを示すためだと思った。
 

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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59番 ファイ

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2017年5月16日 T ファイ No.59 を聴取。基本的な解釈はNo.57と同じ。第3楽章Meuetで回帰してくる部分は、装飾どころか旋律自体がかなり変わっていて飽きさせない。
Timp.が入らない分、随所でhr.が活躍するのが特徴のひとつ。Finaleの冒頭からhr.により第1主題が提示され、展開していく。T14から第1vn.が対旋律を演奏する。同時に、第2vn.を含む別なパートは冒頭の第1主題を受け継ぐ。通常は、vn.パートが分かれていないので、第2vn.の主題がはっきり聞き取りにくい。しかしファイの演奏では対向配置を生かして、この第2vn.のパートが明確に聴こえる。

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57番 ファイ

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2017年5月5日 T ファイ No.57 を聴取。ファイの特徴を凝縮したような曲のひとつ。繰り返しでの装飾で味のよいアクセントがそのひとつ。録音によってはtimp.が入らない。ファイではtimp.が入る。第1楽章の提示部での繰り返し前では、timp.は、他のパートと同様にスコアに忠実で、アクセントをつけることに徹している。一方提示部の最後の部分でスコアにはないT117の部分。ここでは、timp.のトレモロによる効果があり。繰り返しにtimpの活躍を予兆される流れ。この流れを受けて提示部の繰り返しでは、timp.が即興的に活躍。繰り返しを飽きさせない。
Tuittiとsoloのバランスがよい。第2楽章は、大半が繰り返し。繰り返しの効果版では第1楽章と同様に楽器の奏者を変えたり、装飾を加えるのは同様。この楽章では、弦のピチカートと通常に引く箇所が冒頭の主題から頻繁に変わっていくので、中期の交響曲でしばしば登場する特徴。ここでは、わずか6小節の主題の中に交互に登場する。Tuittiとsoloの細かい変化は、たとえばT19からの部分が典型。
ここでは最初の2小節は、弦はTuittiとなっている。T20の部分で弦のパートが全てsoloになっている。特にvc.の高音域の音色は印象的。続く次のMenuetのtrioの部分。フィッシャー盤などで時折、Tuittiの箇所でも随時soloが入るが、ファイ盤でも同様の解釈。Menuetの繰り返しで、前半部分を反復する手法は、過去に何回か聞いてきた。主部が50小節に対して、前半は10小節しかない。10小節の繰り返しにより冒頭の主題を印象付ける。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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61番 ファイ

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2017年5月2日 T ファイ No.61を聴取。過去のランクで自分なりにCとしている曲のひとつ。管楽器のsoloが随所にありながらも、Finaleは流れるような変奏曲。過去の記事については、No.52の部分で交響曲の分水嶺について記載をした。分水嶺の曲でさらに追加で候補を上げるとすれば、この曲があがると思う。緩叙楽章では、vn.の弱音器の指示がある。これは、中期以降の曲では、しばしば用いられる手法。
 ファイの録音は近接音がかなり多い。特に管楽器でのキーを切り替えている音などを含めて、細かい音まで鮮明に聞こえる箇所がある。ダイナミックレンジが広く、強弱の差がかなりある。各パートの分離感が広いことに加えて、繰り返しでは同じ演奏にならないような解釈を何度も記載して来た。
 そのひとつが、この第2楽章の冒頭部分。提示部がかなり長くて全体156小節の内、58小節を占める。(さすがに、展開部と再現部の繰り返しはないが) 調性こそ違うが、No.64の第2楽章のように、通好みで細かい音のニュアンスまでじっくり聞かせてくれる楽章のひとつ。冒頭の第1主題は、最初の部分は、第1vn.弱音器を付けているが強調して登場。この旋律でvc.の対旋律も重要だが、最初は目立たせていない。一方、繰り返しの部分は、第1vn.は音量を最初よりは落とし、vc.の対旋律を目立たせている工夫がある。展示部の終わりのT54あたりからさらに音量を落として、聞こえるかどうかの微妙な音。ダイナミックレンジが広い録音とも相まって、この微妙な音も捉えている。特に緩叙楽章では、録音のよさがポイントだが、ファイの演奏は、うまく当てはまる。
 

テーマ : クラシック
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60番 ファイ

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2017年5月1日 T ファイ No.60を聴取。視覚効果の高い曲で組曲として楽しむのが特徴と、自分なりに評価をして来た。冒頭の序奏からHr.が左側trp.が右側に左右対称的に配置しているので、Tuittiでの楽器が左右全体に広がって迫力がある。
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余り注目されないが、第1楽章のT41でNo.45にも登場したシンコペーションの旋律を含む部分がある。提示部では、No.45の旋律は登場しないが右側の第2vn.の旋律が引き立つ。この旋律は展開部のT109でNo.45の同じ旋律が登場し、短調の調性と相まって聴かせ所。T119ではスッタカート風に刻み込むような下降する旋律が、調性を変えてT121でレガートとなるなど、微妙な解釈がある。この箇所ひとつをとってもスコアの背後にあるものを聴取者へ引きだすファイの姿勢が現れる。
 第2楽章では、繰り返しでは伴奏部分では、弦がピチカートに変更するなど、飽きさせない。第6楽章の中間部でvn.の即興がある。ホグウッドの聴取記録では、指揮棒をたたく音を記載した。ファイの場合は、この叩く音はない。しかし左右に分かれたvn.パートの1名ずつのsolo奏者が明確に聴き取れる。第2vn.のsoloは、わずかだが少し遅れて第1vn.に追随して終わるなど興味深い。もともとこの曲自体、ツギハギのスタイルで6楽章あるので、聞き流すようなタイプではある。しかしファイの演奏は、従来と異なり聞き流す解釈は全くない。スコアに潜むニュアンスを、独自の解釈を通して現代の我々に導くことを目指している典型的な曲と思った。


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